丸井スズキ事業本部新社屋
明治28年創業の菓子専門問屋、株式会社丸井スズキの事業本部の建替えプロジェクトである。
分棟であった事務棟と倉庫物流センターを上下に重ね、敷地内の有効活用を整理し、メインオフィスのワンフロア化による部署間の連携強化を図り、社内の一体的な活動を促す構成とした。
1階が物流センター、2階がメインオフィス、3階がプレゼンテーションの場と社内コミュニケーションの場、専門室からなる。企画、商品開発、品質管理、営業、バックオフィスチーム、物流センターなど多岐にわたる業務に携わるワーカーが一体感をもてるよう、一つながりの街のような社屋を目指した。
西側の公園の緑を眺められるようにしてほしいという要望から、公園側には開閉できる開口部を多くとり、また3階ではセットバックしてデッキスペースを設けるなど、東側のカーテンウォール付近の活発なワークスペースの雰囲気とは異なる、リラックスできる柔らかい雰囲気の場を設けることができた。
2階メインオフィス中央には3階と視線がつながる吹き抜けがあり、3階部分で外気に面することで光を引き込み、中間期には重力換気に用いることもできる。
photo:FUMITO SUZUKI